『A書店物語』 前史:01

『A書店物語』
<前史:01>

 だいぶ前の本のタイトルで「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」というのがあった。そうか、自分にとっては、「人生に必要な知恵はすべて書店のバックヤードで学んだ」と言える。

 それは時代がまだ昭和だったときだ。その末期であった。私は「A書店」で働いていた。学歴も職歴も中途半端な自分は、やる気のなさもあって失業生活が長かった。カネはないがヒマがある。本屋で立ち読みするのがちょうど良い。

 ふと思いつく。本屋で働くというも気楽そうでいいな。本は元々好きだしな。てな訳で、新店オープン・スタッフ募集に応募する。面接後、店長さんからハガキが来た。いずれ来て頂きますが、しばらく待機していて下さい。というものだった。これって内定だろう!? ははは、あっさり採用されたぜ。

 ところがひと月、ふた月たっても通知がない。新店もオープンして、そこそこ流行っていた。結局、だめなんやと諦めた。でも本屋の体験もしてみたいと思い、他の書店のアルバイトになった。

 しかし、思いっきり年下の先輩女子バイトちゃんたちと、うまくいかず、無視される孤独な日々が続く。経営者がめったに来ない店で、バイトたちが好きなように働いていたところへ、無愛想なおっさんが割り込んできたので、煙たかったのだろう。

 しょーがないので、経営者に辞めますと申し出たら、別の店に配属された。ひとりで店番するようなちっちゃい店だったが、手伝いのパートのおばちゃんや女子バイトの人が良くて、ここも悪くないなあと思うようになった。

 びっくりしたのは、昼ごはんを食べるときだった。なんとレジカウンターで食べるのである。椅子があったが、店の中でかよと嫌になった。ところが、人間慣れるものである。隣のスーパーで買ってきた弁当をカウンターの中で食べていると、お客さんが雑誌を持ってくる。ちょっと待ってね、と言って茶をぐっと飲んでから、レジを打つのが普通になった。

(……と急に思いついて書いてみたんで、ここらで息切れ。次回未定)

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▲レロ書店(ポルトガル)
 世界で最も美しい書店と言われている。複雑な曲線を描く階段が芸術だ。

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