避難所。ニッポンとイタリアの事情

<避難所。ニッポンとイタリアの事情>

徳島を考えるシリーズ No.82【ニッポン・世界を考える 17】

◆ニッポンの避難所

 災害時の避難所はテレビで何度も報道されている。とりあえずは体育館、集会所などに避難する。体育館の床は冷たく硬い。ダンボールを敷いた上で雑魚寝する。体育館の多くは断熱構造ではない。床からの冷気がそのまま伝わる。夏暑く、冬は寒い。ダンボールは断熱材であるが、体育館は広いので、空気が動いてしまい断熱にならないので寒い。

 換気の都合もあり、出入り口は開けっ放し。夏場、エアコンがあっても効きは悪い。扇風機が生ぬるい空気をかき混ぜるだけ。

 プライバシーはまったくない。密状態なので風邪はすぐ伝染る。コロナだとたちまちクラスターだ。これが日本の避難所である。何十年も前から、何度も大きな災害があって、避難所でみんなつらい思いをしているのに、基本は変わらない。まるで当然かのように。

◆イタリアの事情

 被災後4時間以内に困るのはトイレである。日本では避難所に仮設トイレが到着するのは、平均して4日後。トイレは使用者数の容量を超えるから汚い、臭い。断水していることが多いから、工事現場用の仮設トイレが多い。当然、和式なので高齢者だけでなく、使いづらい。東日本大震災の避難所の仮設トイレで、足腰の悪い方が汚れたトイレに這って入ったという報告がある。

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 イタリアも日本同様、地震国である。被災直後は日本と同じで集会所や体育館に避難する。イタリアの避難所で最初に届くものは〝トイレ〟。トイレは広く、手も洗え鏡もある。バリアフリーになっており、車椅子でも利用できる。

〝シャワー〟もついている。日本では、自衛隊が風呂を設営するまでは、何日も体は汚れたままである。東日本大震災では3週間もお風呂に入れなかったところもある。あるおばあさんは、津波で濡れた下着を1週間も着たままだったとか…。これが経済大国ニッポンの実情なんか。

◆キッチンカー
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 日本の避難所の定番は、おにぎりやパン、弁当とか。温かいものは基本ない。イタリアではトイレと同時に来るのが、〝キッチンカー〟。軽ワゴンじゃなく、長いトラックである。温かい食事を1台1時間で1,000食作る。イタリアだから、ペンネやパスタも出る。数日経つと食事がフルコースに近づいてきて種類が増える。しばらくするとワインが出ることもあるとか。

 食事は〝大きなテントを食堂〟とし、集会場にもなっている。日本では体育館の寝床で食べるしかない。

◆ベッドそしてテントも
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 トイレ、キッチンカーと同時に来るのは〝ベッド〟。とりあえずは簡易ベッドでキャンプ道具と同じものだが、1週間以内にマットレスのある普通のベッドになる。

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 2日以内に〝テント〟も来る。室内にも家族用としてテントを張る。8人用で、空気を入れるものであり、5分で設営できる。充分広いテントの中には仕切りをつくってプライバシーを確保している。テントには〝エアコン〟が設置されている。

◆イタリアのルール

 地震・災害が起こったら、トイレ、キッチンカーによる食事、ベッドの3つが、12時間以内に到着するのが目標になっている。テントは法律で48時間以内、マットレスのベッドは1週間以内に到着しなければならない。

◆ボランティア団体はヘリコプターまで持っている

 これらの仕事をするのは、当地の役所の職員ではない。実際に動いているのは、〝民間ボランティア〟である。イタリアでは食料、避難所運営、搬送について事前に〝訓練を行った専門ボランティアが80万人〟いる。憧れの存在になっている。

 キッチンカー、テントなどの機材は、国からの支給品もあるが、重機まで自前で持っているという団体も結構ある。ある民間ボランティア団体では、キッチンカー4台、ヘリコプター2機、救急車25台、自動車整備も自前でしているとか。

 ボランティアに参加するのは、様々な世代の人がいる。災害時に社員がボランティアをするために会社を休みたいというと、会社はそれを拒めない法制度まである。

 被災地の公務員は日常業務を中心に行い、応援に入った他地域の者が災害対応をする役割分担になっている。日本では被災地の役場職員が過労死するほどで、配慮されていない。

 これが財政難とも言われているイタリアの避難所だ。イタリア人と言えば陽気、おしゃべり、チャラい、ルーズ…みたいなイメージがある。しかし世界12億人の信徒を有するローマ=カトリック教会の総本山がある国だ。ボランティアの力が半端ない。イタリア被災地のボランティアは救援・支援のプロである。

◆日本の事情

 南海トラフ巨大地震が迫っている。いや毎年のように、雨が降ったくらいで避難しなくてはならない国なのである。日本は被災者を粗末にしすぎていないか? 上から目線で哀れな被災者の世話をしてやっているんだ、みたいな扱いとしか思えない。

 警備・お付きのものを付けて、避難所を視察するお偉方、体育館のダンボールの上で一晩でも寝てみろ。汚いトイレが嫌で水分と摂らないようにしている人がいることを思い知れ。

 避難所→仮設住宅→復興住宅と少しづつ良くなる住環境もいっこうに進まない。避難所暮らしが何カ月も続くことが珍しくない。昭和の時代からいっこうに変わらない。その代わり政権・政治家は惨事に便乗して利権をあさり、ビジネスにするのには熱心だな。

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