災害復興予算は怪しさいっぱい

<災害復興予算は怪しさいっぱい>

徳島を考えるシリーズ No.84【防災の事情 3】

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▲雪が降る中、カップ麺に注ぐお湯をもらいに来た子ども(仙台市の七郷小学校)
(2011年03月16日) この写真は涙がでるな。

 東日本大震災から10年経った。いまだ避難者は4万人。大半は原発事故避難者である。
 わが徳島は確実に起こると言われている「南海トラフ巨大地震」が直撃する地域である。

 20XX年、南海トラフ巨大地震発生。被災地は広範で東海・近畿・四国・九州地方に広がる。高知、徳島の沿岸地域の道路・堤防・港湾施設は津波で壊滅。震度7に襲われた徳島市は、元々、川の中州にできたものなので「液状化現象」が起こる。埋設されていた上下水道などのライフラインが破損。地盤沈下で建物は傾く。道路は割れる。四国南部の沿岸部は。死者数3万人。全壊棟数11万棟。

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▲岩手県宮古市の堤防を乗り越えた大津波(宮古市役所提供)
(2011年03月11日)

 被害は東日本大震災の10倍を超えると予測されている。220兆3,000億円(見込み総額)国家予算の2倍以上にあたる。被害想定は西日本で32万人を超える死者。徳島市の人口をはるかに超える。現在の危機である新型コロナウイルスの感染は、ワクチンで重症化を免れることができるかもしれない。しかし大地震と津波は、そのときは助かっても、避難生活で災害関連死の可能性がある。

 自分の命が助かっても、震災で家族や自宅を失う。職場も仕事も失う。その後10年経っても苦労するほど、人生を変えられるかもしれない。

 まだ時間はあるかもしれない。いざというとき国や自治体の支援が最大の助けとなる。はずであるが、どうも〝怪しいぞ〟。この本を参考に考えてみる。

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『震災復興 欺瞞の構図』原田泰 新潮新書 2012年

◆復興予算の93%はどこへ?

 東日本大震災から10年が経ち、投入された復興予算は32兆円。莫大な復興予算が適切に使われていない実態が明らかになっている。原発事故からの復興、主に東京電力などが負担する事故に伴う廃炉や賠償などの費用は、この復興予算とは別の枠組みである。コストを考えてこそ、大震災からの復興に成功することができる。

 被災者の再建に直接関係する資金は〝2.3兆円=7%ほど〟しかない。東日本大震災の被災者は50万人ぐらい。一人1,000万円ずつ配っても5兆円である。何十兆円もの復興予算はおかしい。将来の街作りよりも、被災者個人に直接、お金を配った方が良いもっとも迅速で安上がりで効果的な支援策となる。

 著者は経済企画庁、外務省、内閣府、早稲田大学教授、日銀審議官など経済政策の専門家。本書は東北大震災の翌年に出版されたものであるが、内容の指摘は10年後になって、正しさが証明された。

◆復興になってない復興事業

 高台に集団移転するために造成し、上下水道、道路などインフラ整備する。ところが維持管理費が以前の1.5倍となる。被災地域は元々人口減少していた。結局、できたものの希望者が少ない。人口減少を前提としてインフラをコンパクトに再建すべきであった。

◆時間かかりすぎ

 復興事業はお金とともに時間がかかる。東北大震災で被害が激甚だった地域は、農業と漁業と観光が中心産業だった。個人の生産手段や住宅の復旧を援助すれば、素早い復旧が可能だった。復興で大事なのはスピードである。何年もかかれば、人は仕事のある場所に移動してしまい、地場産業を復興することはできなくなる。

 復興が遅れるのは、復興と関係のないことをしようとするからだ。補助金が来るからと大規模な開発計画を復興計画の中に滑り込ませた。被災した自治体は、新産業の創出や再生可能エネルギーを活用するエコタウンの形成などを復興計画として予算をつぎこんだ。それは復旧・復興策とは別のものである。

◆予算流用

 莫大な復興資金は被災地外での全国防災対策費となっている。復興予算のはずが、被災地外へのものだと予算流用である。例えば被災地以外の雇用対策費1,000億円で、「ウミガメの保護観察」や「ご当地アイドルのイベント」など震災と関係のない仕事ばかりを用意し、被災者が雇用されたのは3%しかなかった。

 復興予算の一部は、被災地と関係の薄い企業などへの補助金だけでなく、省庁が委託する公益法人の基金管理費としても少なからぬ額が支出されてきた。莫大な予算は「利権」を作り出す。カネの匂いに人が群がる。惨事便乗ビジネスで大儲けする。他人が不幸になれば儲かるのである。

◆工事は必ず長引く

 大型公共工事は必ず予定より長引く。工事は地元に金がばら撒かれることでもある。それゆえ完成したとたん、地域住民は政府のいうことに従う動機を失う。早期に要求を実現してしまうと、与党政治家への後の支援が弱まる。票田を維持するための利益誘導政策として、大型公共事業があるとも言える。選挙で有利になるからだ。政治家も官僚も公共事業によって、人々を政治に依存させようとしている。長引くことは、実は意図的なものである。

◆今のうちにしっかりチェック

 いざとなる前にしっかり国や自治体のやっていることを監視して批判しておかないと、大きな予算をもらった省庁や自治体はお祭り状態となって大盤振る舞いの散財をする。それが復興だと思いこんでいる。被災者はみすぼらしい姿が当然だと思っている。

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