「死ぬ練習」南直哉

「死ぬ練習」南直哉 宝島社 2020年  死ぬ練習とは、「自分を大切にしないこと」? ◆3歳から死に囚われる  著者は幼少の頃から死に向かい合ってきた。3歳の頃から小児喘息で苦しむ。水の中に頭から沈められたようになり、完全に呼吸が止められ目の前が真っ赤になる絶息状態の発作に一晩中、繰り返し襲われる体験をしてきた。苦しさの次に起こる「死」とはどうゆうことか知りたかった。 …

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お墓の代わりに納骨堂では成仏できない?

◆お墓がない  高齢化社会が進み「終活」がブームとなっている。故郷を出て上京した人、長男じゃない人は入るお墓がない。新たに作れば数百万はかかる。そこで最近の傾向はお墓じゃなく、「納骨堂」に遺骨を納めるのが増えている。   ◆お墓の中がまけまけ一杯  数年前、父が亡くなって納骨するときに困った。お墓の骨壷を納めるところ(カロートという)に骨壷がいっぱいになって入らない。    ご住職に…

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四国八十八ヶ所のお寺さんは仏教の施設なのか?

 先日、「なかよしの町四丁目ZMAC」定例総会に参加した。出席は3人であった。 「N川」監査役、「T田」アジアアフリカ事業本部長、「Cロス」商品開発主任。なお、「M山螢」食用未確認生物繁殖局長は、茶畑の罠にかかって当日は参加できず。   それぞれの経過報告をする。緊急課題として「仏教のだらく」について論じる。  四国八十八ヶ所遍路はスタンプラリーじゃないぞ。  遍路は、村とか…

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お十夜・投げ銭供養

 昨年も行った「お十夜(おじゅうや)」に出かける。最近亡くなった人を供養する法会である。数百年の歴史がある。亡くなった人の名前を僧侶が読み上げると、その親族は名前を聞いて、一円玉を祭壇・僧侶に目掛けて投げつける。  露天、屋台が出るくらい人が集まる。ぎゅうぎゅうである。名前が呼ばれても、人々の壁があるから、投げるのは大変である。後ろからだと、投げようとしても隣の人、手前の人と体がくっつ…

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「マイ仏教」みうら じゅん

「マイ仏教」みうら じゅん 新潮選書 2011年 ◆サブカルチャーの巨匠みうらじゅん  著者はマイブームという流行語を生み出した。目のつけどころがユニークで、しかも非常にアクティブである。あまり文章はうまくないが、言語感覚は超人級。造語センス抜群。ありきたりな言葉でも、あらためて考察すると本質が見えてくる。さらに、ちょっとひねると新しい意味が出現する。 ◆仏教趣味  著者…

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天皇家は民営化したほうがいいな

◆天皇は政府の道具なのか!?  天皇陛下が生前に天皇の位を皇太子さまに譲る「生前退位」の意向を持たれていることが明らかになった。  暴走老人・石原慎太郎氏は、「皇室は無責任極まるものだし、日本になんの役にも立たなかった」と発言したことがある。その通りだが皇室のせいではない。政治利用し続けてきた政府・権力のせいである。天皇は時の権力者らによって都合よく使われてきた。  江戸末期に…

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仏壇は重いが、桃の花は咲くだろう

 高齢の母から電話があった。テレビが映らない、と言う。リモコンで何かまちがったボタンを押したんだろうと思った。車に乗って行ってみる。  音声は出るが、画像が出ない。設定とかではなさそう。ケーブルを変えてみるが、治らない。もっと調べようと思い、テレビのコードをコンセントから抜こうと思った。コンセントが、仏壇の後ろにあって手が入らない。そんなに大きな仏壇ではないが、重くて動かない。まったく持ち…

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「大法輪:2014年11月号:(特集)霊魂は存在するか」

「大法輪:2014年11月号:(特集)霊魂は存在するか」法輪閣  死ぬとはどういうことなんだろう? すべて消滅してしまうのか。  仏教の月刊誌「大法輪」の特集<霊魂は存在するか>。  各宗派の見解のほかに原始経典、神道、キリスト教、民間信仰、精神科医による記事もある。  霊魂がないとしたら宗教崩壊!?  ♢  ♢  ♢  ♢  &…

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お十夜(おじゅうや)

「お十夜」というお寺の行事に行ってきた。正式には、十夜大法会(じゅうやだいほうえ)と言うらしい。この数年内に亡くなった人を供養するもの。亡くなった人の戒名とその親族の名前が読み上げられる。呼ばれた家族は、大量の一円玉を僧侶目掛けて投げつける。宗派によって多少内容は違う。投げ銭をするのは一部の地域なのかもしれない。(写真は去年のもの)  ところでこの「投げ銭」とういうのは、なぜそうするの…

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「青空としてのわたし」山下良道

「青空としてのわたし」山下良道 幻冬舎 2014年 著者は、大乗仏教とテーラワーダ仏教を統合した仏教3.0を提唱している。 心全体は「青空」であり、悩み事、心配事、不安や苦しい思いなどは「雲」である。 自分が青空であることを自覚すれば、雲は消える。と説明している。 ◆悩み、苦しみは映画にすぎない  心を観察してみる。嫌な思いにとらわれているとき、嫌な出来事を何回も思いだして…

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「完全教祖マニュアル」架神恭介/辰巳一世 筑摩書房

「完全教祖マニュアル」架神恭介/辰巳一世 筑摩書房 2009年 ◆動機  最近、思いがけぬ病気になったり、人の死に立ち会ったりした。人は何のために生き、死んでいくのだろうと悩んだ。自分の力ではどうにもならない運命の前での無力さ、無常を感じた。そうして宗教に関心を持ったが、自分に合うものがない。  それならば自分専用の宗教を作ろうと思った。本書は宗教を作る側の視点で解説したものである…

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「お坊さんが困る仏教の話」村井幸三

「お坊さんが困る仏教の話」村井幸三 2007年 新潮新書  葬式仏教を批判した書である。戒名の法外な料金に驚かされる。戒名そのものが仏教とは無関係なものであることが暴露されている。さらに仏教が葬式仏教となってしまった原因が、千年以上も前のインドで始まっていたことが説明されている。 ◆釈迦仏教  仏教とは、正しい生活を過ごしながら、生死の問題を考えるために禅定(坐禅と瞑想の組み合…

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「和暦で暮らそう」柳生博と和暦倶楽部

「和暦で暮らそう」柳生博と和暦倶楽部 2008年 小学館 ◆新暦・旧暦・和暦  現代の日本で使っているカレンダー(新暦)は、明治6年から使われるようになった。それ以前のものを「旧暦」と称する。旧暦は約1400年以前に中国大陸から、漢字と仏教とともに伝わった。日本の年中行事は旧暦が起源になっているが、それは古代中国文化によるものである。  旧暦が伝来する以前に日本には暦がなかった…

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「大法輪:(特集)知っておきたい天皇と仏教:2012年12月号」

「大法輪:(特集)知っておきたい天皇と仏教:2012年12月号」大法輪閣  維新という名の伝統破壊  明治維新は、先進的な志士たちによって封建的な江戸時代を終わらせた誇らしい歴史だと讃えられている。反面、ただ権力者が交代しただけのクーデターに過ぎなかったという説もある。維新という名目で伝統破壊があったことは隠せない。宗教面では破壊的なことが起こっていた。 「皇室ゆかりの寺/井上…

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「PRESIDENT (プレジデント) 10/29号」仏教特集

「PRESIDENT (プレジデント) 10/29号」 プレジデント社 2012年 ビジネス雑誌の仏教特集。表紙は『考えない練習』の小池龍之介氏。 <アップルはZENである>  ビジネス誌らしく「スティーブ・ジョブズのシンプル思考と禅の思想」という記事もある。ジョブズは青年時代から禅と接して曹洞宗の乙川老師に師事していた。膵臓がんで手術を受けた経験を語った。  生も死も一時…

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「考えない練習」小池龍之介

「考えない練習」小池龍之介 2012年 小学館・文庫 <思考は病いである> ◆考えると無知になる  人はいつも考えごとをしている。考えるせいで集中力が低下したり、苛々したり迷ったりしている。無意識の思考が引き金となり、次々と思考が連鎖して止まない。 ◆心は刺激が大好き  失敗する原因はよけいな考えごと、とりわけネガティブな考えごとである。心はより強い刺激を求める特徴を持って…

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「坐禅<いま・ここ・自分>を生きる」對本宗訓

「坐禅<いま・ここ・自分>を生きる」對本宗訓(つしもと そうくん)1999年  著者は京都大を卒業後、臨済宗の僧侶となり、管長となる。管長を辞してから46歳で医学部に入学し、禅僧初の医師となった。 ◆形を真似る  坐禅は姿勢を正すことから始める。形から入る。学ぶは「まねぶ=真似ぶ」。習うことは先人の真似をすること。心は形を通してしか現われないから、形から入って心を鍛錬する。 …

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「禅(図解雑学)」中尾良信

「禅(図解雑学)」中尾良信 2005年 ◆坐禅は仏教よりも古い  坐禅は古代インドでは一般的な修行であった。仏陀は坐禅をして悟りを開いたことから、仏教に採り入れられた。シルクロードを経て中国へやって来た僧侶の達磨(ダルマ)が中国の思想と結びついて禅宗が生まれた。 ◆心を取り出せ  達磨大師が弟子から、「私の心は不安に満ちています。どうか安心させてください」と相談された。大師は「そ…

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「イラストでよむ禅のほん」村越英裕

「イラストでよむ禅のほん」村越英裕 1998年 ◆坐禅  坐禅をはじめると、風の音、遠くの物音などそれまで気づいていなかった音が聞こえる。この元々の姿を感じるのがスタート。  続けるうちに五官が鋭敏になってくる。空気の味、水の味がわかるようになる。自分という存在が透明になっていく感じがする。まわりの空気と一体化して、風、雨の音、鳥、蝉の声などがスーッと身体のなかを通り抜けいくよ…

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「禅(雑学3分間ビジュアル図解シリーズ)」正木晃:監修

「禅(雑学3分間ビジュアル図解シリーズ)」正木晃:監修 2006年 ◆動機  この頃、気が弱くなってきた。そこで精神を鍛えようと思った。「禅」が思い浮かんだ。本書を選んだのは、読みやすそうだったからだ。元気のない時に難しい本はダメだ。途中で投げ出し、くじけてしまう。 ◆無  禅の目的は、「無」になること。あらゆるものには永遠不滅の実体がなく、「我」もない。我という幻に翻弄されない…

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田中好子さんの魂

「きょうお集まりいただいている皆様にお礼を伝えたくて、このテープに託します」  元キャンディーズで女優だった田中好子さんの肉声遺言テープがテレビで何度も流れました。余命がいくばくもないことを自覚して、葬儀で公開するメッセージを録音すること自体に驚きます。その声は弱々しい。それでも伝えようする気持ちが痛ましい。 「映画にもっと出たかった。テレビでもっと演じたかった。もっともっと女優…

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「葬式にお坊さんは要らない」田代尚嗣

「葬式にお坊さんは要らない」田代尚嗣 2011年 <もともと仏教と葬式は関係がない> ◆寺院離れ  現代の葬式は葬儀社が中心となって住職はお経の読み上げで終わる形式イベントに見える。日本の葬式は世界一高い。死後戒名があるのは日本だけで、格差があり高額であるが、仏典に戒名の根拠はない。  葬式をせずに火葬だけで済ませてしまう「直葬」が増え、都心部では30%前後になっている。 …

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「龍樹」中村元

「龍樹(講談社学術文庫)」中村元 2002年 <「人類の知的遺産13ナーガールジュナ」1980年刊>の改題 ◆大乗仏教はナーガールジュナから出発した  2~3世紀頃のインドで空の思想を理論的に基礎づけた。「龍樹」とは漢訳名。インド原典で伝わる伝記がないため厳密な生涯は不詳。テレビでよく見かける評論家の宮崎哲弥さんはこのナーガールジュナのファンである。 ◆仏教の根本は「縁起を見…

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「図解雑学 般若心経」頼富本宏(編著)

「図解雑学 般若心経」頼富本宏(編著) 2003年 ◆癒されるものから、学ぶものとして  現在の日本の宗教的現状は、西欧や中近東の諸国のようにはっきりと宗教を信じるかどうかよりも、何か厳粛で心安らぐ存在があるというムード的傾向が強い。  仏像や寺院巡りは仏教に関心を持つきっかけになる。そこからさらに踏み込んで仏教(宗教)を学んでいきたいと思う。 ◆般若心経は二部構成  …

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「般若経典(現代語訳 大乗仏典1)」中村元

「般若経典(現代語訳 大乗仏典1)」中村元 2003年 <空は慈悲である> 『般若心経』『金剛般若経』『八千頌(はっせんじゅ)般若経』が全訳ではないが、重要なところをサンスクリット原文、漢訳文を掲載し、語義説明が詳しくされている。  わかりやすく説明するのが学術的であるという、中村元先生の信念が結実したシリーズ。 ◆空は慈悲である 「空」と「慈悲」とは実質的には同じ。哲学面…

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「大乗の教え・下(仏典をよむ4)」中村元

「大乗の教え・下(仏典をよむ4)」中村元 2001年 <仏教がヒンドゥー教化されていく> ◆阿弥陀経(あみだきょう)  極楽浄土のみごとな姿を端的に述べ、念仏による浄土往生を説いた。  現世を穢土(えど)、つまり汚れたところであると考えるようになった。彼岸の世界に浄土を求める信仰が生まれてきた。 ◆大無量寿経(だいむりょうじゅきょう)  悪い世の中、末世の人々のために阿弥…

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「大乗の教え・上(仏典をよむ3)」中村元

「大乗の教え・上(仏典をよむ3)」中村元 2001年 <民衆のあいだから起こった宗教運動> ◆般若心経(はんにゃしんぎょう)  あらゆる事物は他のものに条件づけられて、その限りにおいて存在する。固定的な実体を持っていない。「空」である。  執着、悩みでもその本体は空である。だからこそ修行によってなくすことができる。空の境地を身につけたならば、すばらしい力があらわれる。 ◆金…

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「真理の言葉(仏典をよむ2)」中村元

「真理の言葉(仏典をよむ2)」中村元 2001年 <人の心は2千年前から進化していない> ◆ダンマパダ(法句経)  人生の指針ともいうべき句を集めた書物。初期仏教聖典のうちでも特に有名。日本では明治維新前にほとんど読まれることがなかった。  ものごとは心にもとづく。汚れた心で話したり行ったりするならば、苦しみはその人につき従う。  相手が失礼なことをしたと思っていたら、わだ…

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「ブッダの生涯(仏典をよむ1)」中村元

「ブッダの生涯(仏典をよむ1)」中村元 2001年 <自分を頼れ>  ラジオ放送で行われた連続講義を活字化したものなので、非常に読みやすい。 ◆スッタニパータ  最も古い経典。ゴーダマ・ブッダのことばに最も近い詩句が集成されている。  人々の幸せを願う。生きとし生けるものの幸せを願う。目に見えないところにある魂まで含めて、すべての幸せを願う。  このように祖先の魂にも…

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「日々是修行」佐々木閑

「日々是修行」佐々木閑 2009年 <ハンバーガーを食べながら瞑想する!?> ◆無明を知り、断つ  自分とか、自分の所有物はいつまでも存在すると期待する。執着する。しかしこの世は必ず移り変わる。ずっと今のままでいたいと思っても、望みは打ち砕かれる。その時に苦に直面する。  苦しみの根源は「自分」とか「自分のもの」といった我欲を生み出す愚かさにある。それを無明(むみょう)という…

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